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“なぜか食欲がない”ときは注意!【管理栄養士監修】心身を整える「5月の食事」

ゴールデンウィークが過ぎたころ、急に疲れが出て心身が疲弊する「五月病」になる人が多いといわれています。五月病によって食欲が落ち、より体調の悪化を招くという事態は避けたいもの。そこで今回は、管理栄養士の筆者が5月におすすめの食事方法や食材をご紹介します。

五月病とは

“なぜか食欲がない”ときは注意!【管理栄養士監修】心身を整える「5月の食事」

4月から職場や学校などの環境が変わり、ゴールデンウィークが終わるころにかけて元気がなくなったり体調を崩したりすることを「五月病」と言われます。特に新入社員や人事異動があった方など、新しい環境に慣れずにストレスを感じ、体調を崩すことも多いでしょう(※1)。

新しい環境になじむためのストレスや不安感が要因となり、体調不良やうつ病になる人も。場合によっては頭痛や肩こり・めまい・睡眠障害・食欲不振など身体的な影響が現れることもあります。

食欲がない時の「食事のポイント」3つ

なんとなく元気が出ず、だるさを感じたり食欲がわかなかったりすることもあるでしょう。そこで、5月に意識したい食事のポイントを3つお伝えします。

なるべく決まった時間に食べる

連休中の生活リズムが崩れた状態が続くと、休み明けもつい夜更かしをしてしまうなどの悪循環に陥りやすくなります。そこで、なるべく朝昼夜と同じ時間に食事を取ることを意識しましょう。そうすると、自然と生活リズムが整いやすくなります。

「セロトニン」を増やす食事を

「セロトニン」を増やす食事を

セロトニンとは脳内の神経伝達物質の1つで、精神を安定させる働きがあります。セロトニンは必須アミノ酸トリプトファンから合成されるため、トリプトファンが不足しないように毎日の食事から補いましょう(※2)。

トリプトファンが含まれる食品はバナナや大豆製品、玉子・肉・魚などのたんぱく質を多く食品にも含まれているとされます。

好きなものを食べてリフレッシュ

食事においてバランスを意識することは大切ですが、それだけに縛られず、自分の好きなものを食べて気分転換をするのも必要です。おいしいものを食べることは心の栄養になります。ただし、食べすぎてしまったと思ったら、翌日は食事量を抑えるなど上手に調整していきましょう。

5月におすすめの食材

5月ごろに旬を迎える食材をご紹介します。旬の食材は栄養価が高く安価で出回っていることが多いため、普段の食卓に取り入れるとよいでしょう。

カツオ

カツオ

カツオの旬は春と秋の2回ありますが、5月前後に旬を迎える「初ガツオ」は味も良く栄養価が高いため、スーパーなどで見かけたらぜひ購入しましょう。

カツオには良質なたんぱく質や鉄のほか、ビタミンB群などセロトニンをつくる栄養素も豊富に含まれているとされます。調理法はシンプルにお刺身やたたきがおすすめです。

アスパラガス

アスパラガス

アスパラガスは一年中手に入りやすい食材ですが、旬は5月ごろ。アスパラガスにはセロトニンの材料となるビタミンB群や、抗酸化作用のあるβ-カロテンが豊富に含まれているとされます。

サラダや炒め物に使ったり、豚肉で巻いてメインのおかずにしたりと、あらゆる料理に使いやすい食材です。

新じゃがいも

新じゃがいも

新じゃがいもは5月ごろに旬を迎えます。皮が薄く水分を多く含んで柔らかいので、皮ごと調理してもよいでしょう。じゃがいもには、エネルギー源となる炭水化物や抗酸化作用のあるビタミンCなどが豊富に含まれていると考えられます。また、じゃがいもに含まれるビタミンCは加熱しても壊れにくいとされ、効率よく摂取できるでしょう。

煮物やポテトサラダ、じゃがバターなど皮ごと使うレシピがおすすめです。

五月病を予防して元気に過ごそう

春は環境が変わることでストレスがたまり、いつの間にか心と体が疲れている状態を引き起こしやすい季節。日々の食生活を見直して、心身の健康を整えていきましょう。

【参考】
※1 厚生労働省.こころの耳 5月「五月病」とのつきあい方
※2 厚生労働省.e-ヘルスネット セロトニン

©︎Ildar Abulkhanov/Adam Gault/yumehana/Claudia Totir/Yulia Naumenko/gettyimages

寺内麻美
管理栄養士を取得後、病院での給食や栄養管理、クリニックで生活習慣病予防のための食事指導に携わる。現在はダイエットサポートやレシピ制作、根拠のあるデータをもとに食や健康コラムの執筆などを行なっている。