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食材をムダにしないために!【管理栄養士直伝】一人暮らしにおすすめの「簡単料理のコツ」

一人暮らしを始めたばかりのころは自炊をしたいと思っていたのに、「仕事や家事に追われて料理をする機会が減ってしまった」という人もいるのではないでしょうか。節約や健康のためにも、なるべく自炊をしたいもの。今回は管理栄養士の筆者が、一人暮らしで活かせる「食事や料理のポイント」をご紹介します。

一人暮らしでも健康的な食事を摂るためのポイント

一人暮らしでも健康的な食事を摂るためのポイント

一人暮らしの場合、家事や仕事で忙しく、食事にかける時間を惜しむこともあるでしょう。欠食や栄養の偏った食事を続けていると、体調を崩して仕事に支障が出る可能性も。ここでは、一人暮らしの食事で気を付けたいポイントをお伝えします。

欠食しないようにする

欠食しないようにする

朝は少しでも多く寝ていたいからと、朝食を抜いていませんか? 農林水産省の「食育に関する意識調査報告書(令和3年)」によると、朝食を食べる頻度について、若い世代(20~39歳)では「ほとんど食べない」と回答した人の割合が15.4%と、他の世代と比べて高い割合となっています(※1)。

朝食を抜くと、空腹時間が長くなってエネルギーが不足しやすくなります。その影響で集中力が低下して、午前中の仕事に支障が出る恐れも。また、疲労感などの悪影響が出やすくなるため、朝も食べることを心がけましょう(※2)。

朝からバランスのとれた食事を準備するのは難しいという人は、おにぎりや果物、ヨーグルトなどの手軽に食べられるものがおすすめです。

主食・主菜・副菜をなるべくそろえる

主食・主菜・副菜をなるべくそろえる

麺や丼ものなど単品ものは手軽に用意しやすく、毎食のように摂っている人もいるかもしれません。しかし、こういった食事は炭水化物が多くなる傾向があり、栄養バランスが偏りがちです。なるべくたんぱく質が多いものや、野菜・海藻・きのこといった食物繊維が豊富に含まれる食材をプラスしましょう。

また、単品ものよりも主食(ご飯やパン)、主菜(肉・魚・たまご・大豆製品)、副菜(野菜・海藻・きのこ)をそろえるように意識すれば、自然と栄養バランスが整いやすくなります。

何を作ればいいのか迷ったら、具だくさんの味噌汁やスープを作りましょう。野菜やきのこ、鶏肉やたまごなどを使えば、バランスのとれたおかずにもなります。

休日に作り置きしておく

毎日おかずを一から作るのは大変ですよね。そこで、休日に主菜や副菜を作り置きしておくのも方法のひとつ。主菜に肉・魚・たまご・大豆製品などあらゆる食品を活用することで、食事バランスの偏りが防げますよ。

手作りでおかずを用意するのは大変というときは、冷凍食品や市販の総菜も上手に活用しましょう。

一人暮らしの料理に常備しておきたい食材

手軽に摂れるたんぱく質

手軽に摂れるたんぱく質

忙しいと、おにぎりや菓子パンのみで済ませるという人もいるかもしれません。しかしバランスのとれた食事を摂るためには、たんぱく質や野菜をプラスすることが重要です。

たんぱく質が多いとされる食材の中でも、納豆やたまご、豆腐などはコスパがよくて保存もききやすいため、冷蔵庫に常備しておくとよいでしょう。

カット野菜や冷凍野菜

カット野菜や冷凍野菜

旬のものや、安く手に入りやすい野菜を常備しておくと、バランスのとれた食事が摂りやすくなります。その他、じゃがいもや玉ねぎといった比較的傷みにくい野菜もストックしておくとよいでしょう。

また、ミニトマトやきゅうりのように洗ってすぐに食べられる野菜や、洗浄済みの葉物野菜(洗わずに食べられると記載があるもの)などは、忙しいときも簡単に食べられるので便利です。

野菜を使いきれずに腐らせてしまう人は、少なめに調理してあるカット済みの野菜や、保存のきく冷凍野菜を活用してみてくださいね。

乾物や缶詰

乾燥わかめや切り干し大根などの乾物、鯖缶・トマト缶などの缶詰は保存がききますし、非常時の保存食としてもストックしておくと安心です。あと1品欲しいというときにもすぐに使えて、さまざまなアレンジができるので、常備しておきましょう。

新年度は食事を充実させて過ごしましょう

春は環境が変わったり、新しいことを始めたりする人が多い季節。食事が整っていないと、体調を崩すことにもつながります。

自炊したい人や食生活を整えたい人は、今回お伝えしたポイントをぜひ参考にしてみてください。食事は毎日のことなので、無理しない範囲で続けてみましょう。

【参考】
※1 農林水産省. 食育に関する意識調査報告書(令和3年3月)
※2 農林水産省. 朝ごはんを食べないと?

©︎Tadamasa Taniguchi/masahiro Makino/DigiPub/Ryouchin/Taiyou Nomachi/gettyimages

寺内麻美
管理栄養士を取得後、病院での給食や栄養管理、クリニックで生活習慣病予防のための食事指導に携わる。現在はダイエットサポートやレシピ制作、根拠のあるデータをもとに食や健康コラムの執筆などを行なっている。