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当てはまったら改善して! だるさや疲労に繋がる「夏にやってはいけない食事法」3つ

暑い日が続くと、全身のだるさや疲労感などを感じる人もいるでしょう。それは「夏バテ」が原因かもしれませんね。「夏バテ」には、日々の食生活が影響している可能性が高いです。そこで、管理栄養士の筆者が「夏バテ」を引き起こしやすい食べ物や食事法を解説します。暑さを乗り切るために、ぜひ参考にしてみてくださいね。

夏バテの原因とは

当てはまったら改善して! だるさや疲労に繋がる「夏にやってはいけない食事法」3つ

私たちの体には、外の気温に関わらず体温を一定に保とうとする働きがあります。夏場に気温が上がると体温も上昇しますが、汗をかくことで「汗の蒸発」にともない熱が奪われることで体温の低下に役立つのです(※1)。

しかし、湿度が高すぎると汗の蒸発が妨げられたり、エアコンにより汗をかく機会が少なくなることもあるでしょう。そうすると体温調節機能が働きにくくなり、自律神経の乱れを起こしやすく、体の不調につながると言われています。

逆に、大量に汗をかいたとしても、うまく栄養補給ができていないと水分やミネラルが体内から失われてしまい脱水状態を起こす原因となる可能性も。

それだけでなく、暑さによる睡眠不足や、冷たいものを摂りすぎることによって体内が冷えすぎてしまい胃腸の働きが低下しやすくなり、食欲不振をまねくことも夏バテの要因となっているようです。

夏バテを招く食事方法3つ

それでは、夏バテに繋がる可能性のある食事方法を3つご紹介します。日常的にこのような食生活が続いていたら、今すぐ改善を!

1.冷たいものばかりとる

暑い日が続くと、アイスやそうめん、キンキンに冷えたジュースなど、つい冷たいものを摂取したくなりますよね。しかし、冷たいものばかり摂っていると胃腸が冷えすぎてしまい、腹痛を起こす要因となったり、食欲が減りやすくなったりして、体調不良をまねく恐れがあります。

また、体温調節に関係している自律神経が乱れやすくなり、疲労感やだるさの原因となる可能性もあるでしょう。

冷たいものを摂ったら、温かいお茶や汁ものなども摂るように心がけましょう。また、飲み物はなるべく常温で飲むようにするのもおすすめです。

2.糖質に偏った食事が多い

夏は、冷たい麺やアイスなど、糖質に偏った食事になりがちという人も多いのでは? しかし、糖質に偏った食事をすると、栄養バランスが崩れやすく、疲れや体調不良の原因になる可能性があるのです。

特に、肉や魚などたんぱく質が中心の食材に多く含まれているビタミンB群は糖質を体内でエネルギーに代えるために必要な栄養素と言われています。そのため、麺類を食べるときには、ゆで玉子や茹でた豚肉など、たんぱく質も意識して一緒に摂取することがおすすめです。

また、野菜や果物を意識して摂ることで、汗をかいたときに失われやすいミネラルやビタミンも補給できるでしょう。特に旬の夏野菜は栄養価が高いとされているため、積極的に摂るのが理想的です。

3.スポーツドリンクや甘い飲み物を飲みすぎる

夏場は“汗をかくから”といって、常にスポーツドリンクを飲んでいたり、“食欲がないから”とエネルギー補給のために糖分入りの飲み物をよく飲んでいる人もいるかもしれません。

しかし、このような飲み物の糖分は吸収が速いと言われているため、高血糖状態をまねきかねません。血糖値が上がるとのどが渇きやすくなり、さらに糖分入りの飲み物を欲する「ペットボトル症候群」と呼ばれる悪循環に陥りやすくなる恐れもあります(※2)。

このような飲み方を続けてしまうと、疲労感につながるだけでなく、糖分の摂りすぎによる肥満の要因にもなる可能性があるので注意が必要です。

夏バテ予防には、バランスの良い食事を!

夏に起こるだるさや疲れは長引きやすく、食欲が落ちることでますます夏バテが続く、という悪循環に陥ってしまうこともしばしば。

その状態になる前に、栄養バランスの良い食事をしっかりと摂り、冷たいものは摂りすぎないようにして、暑い夏を乗り切りましょう。

【参考】
※1 環境庁.熱中症環境保健マニュアル2022
※2 厚生労働省.e-ヘルスネット 嗜好飲料(アルコール飲料を除く)

©bymuratdeniz/hiroyuki nakai/Daniel Mazilu / 500px/gettyimages