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洗顔後、まずは何つける? 美容のプロが教える「美肌に導くスキンケアの基本」

毎日行うスキンケア。でも、本当にこれでいいの? 今さら聞けないスキンケアの基本を、美容医療コスメのプロ「MTコスメティクス」代表取締役の板橋理恵さんにうかがいます。

美容のプロが伝授!スキンケアの基本

スキンケア 化粧水 乳液 美容液 クリーム

化粧水や乳液、美容液など、毎日使っているけれど、何が正解かわからないと迷っていませんか? 基本的なことは今さら感もあって、誰かに聞きにくいところがありますよね。

そこで今回は、美容のプロである「MTコスメティクス」代表取締役の板橋理恵さんに、スキンケアの基本についてお話をうかがいました。

板橋さんは、美容医療プロフェッショナル向けのスキンケア製品を開発するべく自ら起業し、2005年にMTコスメティクスを設立。現在では美容クリニック・エステ向けのスキンケア製品を販売しています。

洗顔後すぐつけるものは? 基本の流れ

ーー洗顔後、すぐにつけるなら、化粧水、乳液、美容液のどれがいいですか? スキンケアの基本の流れをお教えください。

板橋さん まずは、化粧水です。スキンケアの手順は、「水分→油分」が基本です。お肌は水分と油分のバランスが保たれることで、バリア機能が働き、キメの整ったうるおいのある美肌へと導かれます。そのために、まず水分を補いましょう。そして、肌に浸透した水分を逃がさないために、仕上げにしっとりとした膜を作るように油分で保護をしてくださいね。

まず油分が少ないものから塗り、徐々に油分が多いものを重ねていきましょう。一般的なスキンケア製品を油分が少ない順に並べると「化粧水→美容液→乳液→クリーム」となります。美容液は化粧水の後、乳液の前が一般的ですが、例外もありますので、あらかじめ製品ごとの使用法を確認してくださいね。

スキンケアは朝と夜で変えたほうがいい?

ーースキンケアは、朝と夜とで使うものを変えたほうがいいのですか?

板橋さん お肌の状態や、お悩みに合わせて化粧品を選んでいるなら、朝と夜は基本的に変えないほうが良いと思います。お肌悩みに対して、効率よく美容成分を補給してあげるためには、朝と夜の1日2回とも同じスキンケアが理想的だからです。

ただし、化粧品のテクスチャーなどの質感によってはテカりやすかったり、ファンデーションとの相性などでメイクへの影響があったりと気になる場合もあると思います。そんなときは、朝と夜のスキンケアを変え、ご自身のライフスタイルに合わせて使いこなすのが良いですね。

美容液の基礎知識

ーー基本的に美容液はどんなときに使うものですか?

板橋さん 美容液は、ご自身のお肌悩みに最適な、不足がちな栄養を補ってあげるイメージで使うと良いですよ。特に「現状に満足していない」「もっと美しくありたい」など積極的な変化を求めている方は、美容液はとても重要なプロセスになると思います。

美容液をより活用するためには、現在の自分のお肌コンディションや、どんなお肌になりたいのかを知ったうえで、お肌に必要な美容成分が最適量入っているものを選んでいただくと良いと思います。

ーー美容液は何種類も重ねて使っていいのですか?

板橋さん 重ねて使用しても問題ありません。ただし、使えば使うほどお肌に良い影響が出るわけでもありません。

美容液にはそれぞれの目的がありますから、お悩みに対しての効果を実感するには、多くても3種類前後に絞ったほうが良いかもしれませんね。

化粧品類は長く同じものを使うべき?

ーー化粧水や美容液などは、長く同じものを使うべきですか? 時々変えたほうがいいのでしょうか?

板橋さん 自分のお肌や、お肌悩みに合っているスキンケア化粧品であれば、使い続けるのが良いと思います。

ですが一年を通して、季節による気温や湿度の変化、女性ホルモンや生活習慣からくるストレス等で、お肌は影響を受けやすいといわれています。例えば気になるお肌悩みが変わったり、加齢などでお肌の質が変わったりしたとご自身で感じたときは変えどきのサインではないでしょうか。

ただし、紫外線などでお肌がダメージを受けていたり、敏感になっていたりするときは、お肌が正常でない状態ですので、スキンケア化粧品を頻繁に変えることはあまりおすすめできません。

メイク直しの基本

ーー昼間、メイクの上から保湿のスキンケアをしてもいいのですか? 適切なやり方をお教えください。

板橋さん 美肌のためのスキンケアは、クレンジングや洗顔後の清潔な状態で行うことがとても大切です。そのため、メイクの上からのスキンケアは、あくまでも一時的なサポートとしてとらえてください。

日中、乾燥が気になるときには、まずティッシュで顔全体を押さえ、余分な皮脂や汚れをとってから、化粧水をスプレーすることをおすすめします。

また、部分的な乾燥などで化粧崩れが気になるようであれば、乳液など油分を含んだもので、その部分を軽く拭きとってから、メイク直しをすることがポイントです。

20代、30代でやっておいたほうがいいスキンケア

ーー20代のとき、30代のときそれぞれ、やっておいたほうがいいスキンケアがありましたらお教えください。

板橋さん 私の例でお話ししますと、20代のときは、紫外線対策ですね。若いときは、日焼け止めも朝一度塗ったら、そのまま一日過ごしていたり、曇りの日は塗らなかったりしていました。

実は2~3時間おきに塗り直しが必要なことや物理的な紫外線防御も重要であること、紫外線の怖さなどを若いときから知っていれば、もっと徹底してお肌を守ることができたのかなと思っています。

30代のときは、目元のケアです。肌質の変化を感じ、顔全体のお手入れに関心が高まり、美容液などをいろいろ使い始めるタイミングでしたが、当時は目元のケアがおろそかになりがちでした。

目元の皮膚は薄くて、乾燥やシワが目立ちやすくなります。生涯に渡って美しくありたいという「ライフタイムビューティ」の考え方が浸透していますが、特に美肌を保つためには、30代からアイクリームをしっかり塗って予防しておくことをみなさまにぜひおすすめしたいと思います。

ーースキンケアの基本から日頃の適切な方法、20代、30代でやっておきたい基本的な方法について知ることができました。
すでになんとなく知っていたことでも、改めてプロにうかがうと、基本の大切さを実感できます。ぜひ日頃のスキンケアに取り入れてみてくださいね。

Information

教えてくれた人…板橋 理恵(いたばし・りえ)さん

板橋 理恵さん

お肌悩みを解決する美容医療プロフェッショナル向けメディカルコスメカンパニー「MTコスメティクス」を起業。現在、国内約5,000軒の美容クリニック・エステへ導入実績他、国内外女性誌にて数々の賞を受賞し、世界17か国で展開。