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食べ過ぎやストレスで疲れた胃に! 食べてよくなる「胃腸の簡単セルフケア」

ステイホーム中、食べ過ぎや飲み過ぎになっていませんか。ストレスもあり胃腸の調子がよくないと感じている人もいるでしょう。そこで今回は、中医学の観点から、胃腸をいたわる漢方薬や食材をクラシエ薬品の学術部員にうかがいます。

胃腸の調子がよくない…! セルフケアをしよう

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コロナ禍になってから、なんだか胃腸の調子がよくないと感じていませんか? 実は食べ過ぎだけでなく、ストレスや疲労によっても胃腸は影響を受けるといわれています。

薬を飲んだり、病院にかかったりするまでもないものの、調子を整えたいという人もいるのでは。スッキリした胃腸で、毎日美味しく健康に過ごしたいですよね。

そこで今回は、漢方や中医学の観点からのセルフケア方法をご紹介します。クラシエ薬品が2021年末に行ったセミナーの内容の一部や、学術部員の方へインタビューした内容をお届けします。

中医学において胃腸トラブルは何が原因?

クラシエ薬品株式会社のヘルスケア学術部 係長 矢嶋浩平さんによると、中医学では、胃腸に関するトラブルの原因は、ストレスや食事の影響、疲労、加齢などだと考えられているそうです。

ストレス素因:心理的疲労、人付き合いへの不安、仕事・家事の負担増

食事素因:暴飲暴食や偏食

肉体素因:疲労蓄積・加齢による胃腸機能の低下

これらの原因によって、カラダの中で「気」つまりエネルギーの停滞や不足が起きたり、炎症などを引き起こす「熱(ねつ)」や、痙攣などを引き起こす「寒(かん)」などが発生したりします。これらによって胃腸の不調が起きるのだそうです。

胃腸の不調は2種類!

矢嶋さんによれば、胃腸の不調は「機能亢進」と「機能低下」の2種類があるといいます。おもな症状から、自分の胃腸不調がどちらのタイプなのか見当をつけてみるとよさそうです。

機能亢進

原因:ストレスなどによる「気」の停滞+胃部に「熱」が停滞

おもな症状:神経性胃炎・胃痛、みぞおちのつかえ

該当する漢方薬:半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)

機能低下

原因:疲労・加齢による「気」の不足+胃の動きが悪く、水はけも悪い(「寒」の状態)

おもな症状:食欲不振、食後の膨満感、胃腸虚弱

該当する漢方薬:六君子湯(りっくんしとう)

中医学で胃腸の不調におすすめの食べ物

矢嶋さんによると、胃腸の不調には薬はもちろんのこと、食事のコントロールも大切とのこと。適度な食事生活を心がけ、胃腸の働きを助ける食材を積極的にとるのもおすすめだそうですよ。

食べ物の味と薬効

漢方では味にも薬効があると考えているそう。胃腸の不調を感じているときは次のように味を意識して食事を選ぶといいそうです。

苦味・辛味:胃部の停滞・詰まりを除きたいときに

甘味   :消化吸収力を高めたいときに

胃腸の疲れにおすすめの食材

また、とくに胃腸疲れを感じている際におすすめの食材を矢嶋さんにうかがいました。

矢嶋さん 食養生も漢方薬と同様、病の「寒熱(かんねつ)」を見極めて食事で調和を図ることが大切です。炎症が強い、熱感がある、食欲増進が認められるなど「熱」という機能亢進を含む症状がみられるようであれば、熱を冷ます食材を積極的にとられることをおすすめします。

反対に、食欲がわかない、元気が出ないなど「寒」という機能低下を含む症状がみられるようであれば、胃腸の働きを高め、元気をつける食材をおすすめします。またいずれにしても適度な食事量にとどめましょう。

熱を取る食材:チンゲン菜、トマト、豆腐、かぶなど

胃腸の機能を高める食材:牛肉、さつまいも、イワシ、そら豆など

参考)辰巳洋(2006).薬膳素材辞典源草社

ーーおうち生活で食べ過ぎてしまったり、ストレスや疲れで胃腸の調子がよくなかったりする場合には、今回紹介されたぜひ漢方薬や食材を上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。
ただし、症状が重いときは無理をして食べたり、ケアを行ったりせず、専門医に相談しましょう。

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クラシエ

(C)martin-dm/Getty Images