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“なんとなく不調”を解消! 「自律神経を整える」毎日の簡単習慣術5つ

大型連休が終わり、しっかり体調を整えたいところです。そこで健康と眠りのスペシャリスト、松浦志野さんに、気温や湿度の差が激しい時期に気をつけたい生活スタイルを教えていただきました。

気候変動による気象病

すでに梅雨時のようなじめっとした蒸し暑さがあると思えば、逆にひんやりする日もあり、寒暖差や気圧変動の大きい時期です。気象の変化によって起きる体調不良を気象病といい、頭痛や倦怠感、やる気が出ない、寝起きが悪いといった症状が出ることがあります。これは自律神経が大きく関係しています。

気圧の変化で過剰に自律神経が反応してしまい、睡眠や気持ちの浮き沈み、カラダの症状にも影響していきます。しかしどんなに辛い状況でもお仕事や育児、家事があります。梅雨時期のような時期でも快適に過ごせるよう対策を行っていきましょう!

1. 体内時計を整える

まずは自分にとって最適な睡眠時間を見つけることから始めていきます。休みの日の前日、いつもの就寝時刻に眠りにつきましょう。ここで休みの前日だからといって遅寝はせず、睡眠の質を高めるために入浴をして、お風呂から上がり汗が引いたら就寝します。

お風呂から出てからはスマホを見ず、ストレッチや深呼吸、アロマを取り入れてリラックス効果を高めましょう。そして、就寝後、翌朝に自然に目が覚めた時刻を確認してください。

これを数日繰り返すことで自分にとっての最適時刻がわかります。睡眠が足りていないと初めは遅くに目が醒めると思いますが、数日続けていくと適切な時刻に起床できます。その時間があなたにとっての最適な睡眠時間です。起きなければいけない時刻から逆算して、自分に必要な睡眠時間がとれる就寝時刻を決めることで、体内時計を整えるための一歩前進になります。

2. 朝起きたらカーテンを開けて、まずは1分の日光浴

朝自然に目が覚めて、まずはカーテンを開けて、もし可能ならそのままベランダに出て、まずは1分でかまわないので日光を感じましょう。この時の注意点は太陽を直接見ないように気をつけてください。目の網膜で光を感じることで脳に指令が送られ、体内時計が整うことがわかっています。

そして午前中のうちに30分以上太陽の光を浴びましょう。たとえ雨でも曇りでも家の中よりは外の方が明るいです。網膜で光を感じることが大切になります。通勤時はできるだけ日の当たるところを歩くのもいい方法です。

体内時計をコントロールしているのは「光」になります。日光浴をすることで脳内の神経伝達物質のひとつであるセロトニンが増え、気持ちも明るくなり、体温上昇もするため、夜との体温差ができて睡眠の質の向上にもなります。

3. 19時ごろに軽めの運動をする

睡眠の質を整えるには体温の高低差が大切になります。深部体温といって内臓や脳などカラダの内側の温度は個人差はありますが、19時ごろが最も高くなり、朝方4時ごろが低くなります。19時ごろに軽めの運動でさらに体温を上げることでより睡眠の質を改善できます。

軽めの運動といっても簡単です。お仕事からの帰宅の際にいつもより少し早歩きをしてみる、遠回りをして歩く距離を増やす、駅では階段を使う、電車の中で「ながら運動」でもかまいません。

4. お風呂に入りカラダの内側の温度を上げる

お風呂に入っていただくことで温熱作用によりカラダの深部体温が一時的にぐっと上がり、その反動で急降下するときが最適の就寝のタイミングです。カラダの熱は引いて、手足がポカポカと温かくなっていることがサインです。

深部体温を上げる入浴方法は40℃のお湯に15分浸かることです。就寝時刻の1時間ほど前に入浴終了していただければ汗も引き、気持ちよくおやすみになれます。

汗をかいている時はうまく寝つくことができないので、汗が引いてから就寝してください。しかし、シャワーのみや数分程度の入浴では深部体温は上がりきらないので、入浴後はすぐにベッドへ入っていただくことがいいでしょう。

5. 耳をもみもみで血流を上げる

耳を温めることで血管が拡張し、血液循環がよくなり、交感神経の働きが低下します。また、耳の周りにはリンパ節もあるため、温めることで老廃物の代謝効率がよくなり、気象病による頭痛などの緩和、リラックス効果も高まります。

私たちは日々いろんな音を聞いたり、目から情報を受け取り、交感神経がたかぶり緊張しやすい状況になっています。寝る前にはリラックス効果を高めることが必要です。やり方は耳の付け根を指で挟み、前回し後ろ回しを10回ずつ行ってみましょう。優しく耳全体を包み込んで温めたり、もみもみしていただくのも効果的です。

梅雨時の気象病対策は自律神経を整え、カラダを温め、適切な生活習慣を取り入れることで大幅な改善が見込まれます。時期の問題だからと諦めずに対処をすることで、快適な生活を送れるようになります。それでもお仕事が手につかないようであれば、一度病院で受診をされてみてください。

【参考資料】
・「わたし」と向き合う1日10分のお風呂習慣小林式マインドフルネス入浴法
発行:エムディーエヌコーポレーション 著者:小林麻利子
・入浴の質が睡眠を決める
発行:株式会社カンゼン 著者:小林麻利子

(C)ayakono/Getty Images

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松浦志野
健康と眠りのスペシャリスト。眠りとお風呂の専門家・小林麻利子さんに師事している。埼玉県出身。看護師、ベビーマッサージ講師。スリープカウンセラーとしてひだまり by SleeoLIVE主催。1児の母。看護師として総合病院、訪問看護を経験。自身が不規則な生活や睡眠不足、眠れないと悩んでいる方の多いという経験から同じように悩む人を助けたいという思いで小林に師事。現在はベビーマッサージのレッスン、日本初のマンツーマン&対面の睡眠改善カウンセリングを行い、赤ちゃんから大人までの熟睡を導くサポートをしている。