いまわたしたちにできること~美容・健康・環境も~

疲れを持ち越しません…お風呂が面倒な日に試したい入浴法

毎日ワンオペでヘトヘトでも、遅い時間まで働いていても、どんなに忙しくても、これだけやればぐっすり眠れて、きれいになれる方法が知りたくありませんか? “今日はもう…そのまま寝たい…“というときこそやるべきな寝る前のルーティンを、ご自身もワンオペ&会社経営者で忙しくしている、眠りとお風呂の専門家、小林麻利子さんに伺いました。

疲れた日こそもうひと踏ん張りして入浴しよう

GettyImages-482912789

疲れている時は、一刻でも早く寝たいですよね…。わかります、その気持ち! でも、疲労が強いからこそ、最高の状態へ修復させたいと思いませんか? ならば、まずは眠りの質を上げる工夫をしていきましょう! そのまま寝てしまうよりも、ちょっとした工夫でぐんと眠りの質が良くなります。

睡眠の質が良くなると
翌日の仕事や家事のパフォーマンスが上がる!
彼や、家族に仏のような笑顔で接することができる!
アンチエイジングそのもの! キレイもキープできる!
といいことづくしです。

ということで、特に今日は疲れた、というときに、私自身もこれだけはやっている、夜ルーティンをご紹介します。全部やろうとしなくてもOKです。どれが1つだけでもぜひ試してみてくださいね。

1.聴覚刺激の準備をしてお風呂だけに浸かる

疲れているからこそ、お風呂に浸かりましょう! だけど、髪の毛は洗わなくてOKです。髪が長いと洗髪も乾かすのも時間がかかってしまい、結局就寝時刻が遅くなってしまいます。湯舟に浸かって血流をよくしてリラックスするだけでも、眠りの質がぐっと上がります。

しかし、お風呂にただ浸かるだけよりも、ちょっとした工夫が大切です。
ラットの研究ではありますが、腎臓の交感神経を低下することがわかっているシューマンの「トロイメライ」という曲を小さい音量でリピート再生。お風呂用のスピーカーがあればそれを使用し、なければスマホから流して脱衣所においておき、さりげなく聴こえる状態にしておきます。聴こうと意識を向けなくてOKです。なんとなく聴こえている、という程度で効果があることがわかっています。

2.メイクをパパッと落とす

GettyImages-668576042

入浴の準備ができたら、洗面所でメイクをオフ。浴室の照明は消して、脱衣所の照明だけつけて浴室の明るさをぐっと抑えて浴室に入りましょう。

3.体を洗ってボディオイルをつける

先ほどもお伝えしたように、洗髪は時間がかかり、体力も使うので、翌日にするか、ドライシャンプーなどで終えましょう。ヘアワックスなどをたくさんつけている場合は別ですが、毎日きっちり洗う必要はありません。毎日こまめに洗う習慣があるのは日本独特の文化でしょう。

体を洗うのは、本来なら湯船に浸かってから汚れがある程度おちて、皮膚が柔らかくなったた後がベストですが、時間もないのでお風呂の中でボディケアまでできるよう、先に体を洗っておき、軽くタオルで拭いたお肌にボディオイルを塗布しておきます。

4.嗅覚刺激は必須! リラックスできる眠りに特化したバスミルクがベスト

GettyImages-1333602954

湯船に浸かる直前に天然製油のバスミルクを入れます。天然精油は香りが揮発しやすいので、人工香料よりも香りの持続が低くなります。疲れているときは、人工香料ではなくて、さまざな研究でリラックス効果が明らかになっている、天然100%のラベンダーが用いられているバスミルクがベストです。たとえ精油が入っていたとしても、人工香料を添加して香りが広がるように作られているものもあり、その場合は、精油の量自体はとても少ないことが多いです。きちんと表示を見て選んだ方がいいでしょう。

5.洗顔、フェイスパックをして浮力を意識した入浴

湯船に5分くらい浸かったら、お風呂の湿度で皮膚が柔らかくなっています。浴槽から出て、顔を洗い、脱衣所においてあるフェイスパックをして湯船にまた浸かります。お風呂と脱衣所の行き来で、温冷刺激を加えるのも時短のコツです。お湯に浸かりながらフェイスパックをすることで保湿度が高くなる研究報告もあります。

再びお湯に浸かったら、頭を浴槽の淵に預けて、鼻から息を吸って体をぷくーっと浮かせて、口から吐いて、すーっとお湯の中に沈む、浮力を利用した入浴を行うと、とても気持ちよくリラックスできます。しばらく深い呼吸を続けていきましょう。

6.頭皮の血流をよくする

GettyImages-1345845425

脳疲労には、頭の血流アップが大事! 本当なら洗髪したいところですが、洗うのも乾かすのもしんどい場合は、頭を洗わなくとも、お風呂に浸かりながら、頭皮マッサージャーで頭皮をモミモミします。

既に全身にボディオイルを塗布しているので、手のひらを滑らせて全身マッサージも行うと血流がよくなります。さらに、ゆったり呼吸を繰り返すことで副交感神経の活動が活発になり、そうすると、末端や体表面の血流がよくなるので温熱作用が高まります。

7.タオルで拭いたらすぐにパジャマと靴下

体も顔も保湿できているので、お風呂場でタオルで全身を軽く拭いたらすぐパジャマです。暑い季節はタオルで拭く変わりにバスローブをさっと羽織るのもいいですね。

足元は靴下でもいいのですが、すぐに寝たいので足裏は保護しつつ、足の甲からの放熱を促す、ビーチサンダルのような形状になっているスリッパがベスト。冬はブーツタイプのスリッパがおすすめです。よくある普通のスリッパは、足指をぐっと踏み込んで歩く癖を作ってしまい、太ももの前側の筋肉の張りの原因になりかねないので、自宅での使用はあまりおすすめしていません。

脱衣所では照明はつけず、浴室の照明だけつけて、その明かりだけで寝る支度をしていきましょう。

8.寝室も照明はつけずにそのまま就寝

身支度ができたら、事前にエアコン等で最高の快眠環境を整えてある寝室へ。寝室の照明は、寝る直前までつけていて、さぁ寝ようとしたときに消す、というご家庭が多いと思いますが、お風呂と睡眠は1セット。リラックス状態をそのまま睡眠に繋げたいので、寝室の照明はつけずに、もしつけるならフットライトなど間接照明のみにしましょう。

そのままストレッチして呼吸を繰り返して、汗がひいたら、おやすみなさい。

全てやらなくても、やりかたのエッセンスだけ汲み取っていただき、何か1つでも行ってからおやすみすると、寝付きの良さや翌朝の寝起きの良さに驚くかも!? ぜひ試してみてくださいね。

IMG_0055_1-768x593-1

眠りとお風呂の専門家
小林麻利子さん

同志社大学卒業、京都市出身。SleepLIVE株式会社代表取締役社長。生活習慣改善サロンFlura主催。公認心理師。科学的根拠のあるデータや研究を元に、睡眠と入浴を中心とした生活習慣を見直すことで、自律神経を改善していく指導が人気。約3,000名以上もの悩みを解決し、テレビや雑誌など、多くのメディアで活躍中。不規則な生活になりがちな、芸能人やモデル、アナウンサーへも指導。

企業向けには、健康経営や睡眠関連事業支援などを行う。著書に『入浴の質が睡眠を決める』(カンゼン)『不美人習慣を3日で整える熟睡の練習帳』(G.B.)など多数。プライベートは、3歳児と0歳児の母。

Sam Edwards
shironosov
iprogressman
Deepak Sethi