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冬でも手のガサガサ解消! 医師が教える「手荒れ対策とエイジングケア」

空気の乾燥に加えて、掃除や調理、水仕事が多くなってくる年末は、手の肌荒れが気になる時期でもあります。そこで、アンチエイジングを専門となさっている医師の竹中奈織さんに手のエイジングケアについて質問してみました。

手の皮膚が固くなって、血管も浮き出て…その対策とは!

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手のシワが増えてきた気がするのですが、若々しい手に戻す方法はありますか?

YES!

限界はありますが…あります!

手の血管が浮いて見えると手が老けて見えることがあります。これはハンドベインといって、直訳すると“手の静脈”という意味です。

ハンドベインの原因には加齢、生活習慣、遺伝などがありますが、加齢によってこの静脈という血管が拡張して太くなり、年齢とともに皮膚の弾力に必要なコラーゲンなどの成分や皮下脂肪が減ります。そのため表皮に弾力がなくなったり、薄くなることで太くなった血管がより目立ってしまいます。

加齢を止めることはできませんが、生活習慣でこの手の老化を少し食い止める方法があります。とにかく「保湿」「紫外線対策」「水仕事対策」をしっかりしましょう!

手はよく使うのでどうしても負担がかかり年齢より老けがでやすい箇所です。しかもアルコール消毒の時代なので手の水分・油分が奪われやすく乾燥や手荒れしやすくなりました。

そのため、こまめなハンドケアが大切です。特に手洗い、水仕事やお風呂の後優しく水分を拭いた後、顔と同じように化粧水や乳液を塗るのと同じで手にはハンドクリームを塗りましょう。

トイレや水仕事のたびに塗るのは本当に面倒臭いですがここの努力で違いが生まれます。また今は、寒さのためつい、熱めのお湯で手を洗いたくなりますが、お湯は手の皮脂が奪われやすいので、できるだけ体温以上の熱めのお湯は避けるようにしてください。

また冬場は特に忘れがちな紫外線対策も大切です。外出時はもちろんですが、家の中でも窓から日焼けしてしまうので、手にも紫外線対策はした方がいいでしょう。

また、車の運転でのジワジワくる手の日焼けも要注意です。車に日焼け止めクリームを置いておくことで信号待ちの時にササっとぬれるので、ぜひ置いて備えてください。ここ最近、紫外線対策ができるハンドクリームも販売されているので、一石二鳥アイテムもよいと思います。

また、さらに効果を増したいときは、夏場に見かける紫外線対策用の手袋も1年中使いましょう、保湿効果にも紫外線対策にもおすすめです。

次に水仕事の時や洗剤を使うときはゴム手袋をつけていますか? 洗剤には手の皮脂も落としてしまう成分が入っていることがあるため手荒れがおきやすくなります。手荒れしにくい天然洗浄成分の洗剤を使うのもいいですね。

また、手に負担をかけないという意味では、指を使う事や重い荷物を持つのも極力避けたほうが良いのですが、それでは生活が送れずなかなか難しいので、現実的ではありませんね…。

そして手だけではなく、全身の老化につながるその他の生活習慣として運動・睡眠不足、タバコ、お酒や糖質の多いものも老化を進める原因になるため気をつけてほしいところです。

なかでも、女性が感じやすい冷えは血行不良が起きていることが多く、血行不良が起こると動脈と静脈をつないで酸素や栄養素、老廃物の受け渡しを行っている毛細血管の働きが低下してしまい、その結果、肌の新陳代謝が鈍くなり弾力に大切なコラーゲンが作られにくくなり、たるみにつながるのです。そのため手の血流を良くするマッサージが効果的なのです。

手先が冷たい人は手を心臓の位置より高い位置に上げてぶらぶらさせたり、指先や指の間をもみこむハンドマッサージもぜひ取り入れてください。

私は、水仕事の手袋は、面倒でできていないのですが、天然成分で手にも地球にも優しい『SARAYA』のヤシの実洗剤を使っています。重い荷物は両手にいっぱいに抱えているし、手のUVケアも忘れがち…気がつけば以前はなかった、ほくろやシミがちらり…アンチエイジング専門医でもなかなかすべてをこなすのは難しいです。

そんな時、アンチエイジングの勉強会で某先生がお薦めされていた『KOSE』の「コエンリッチ 薬用エクストラガード ハンドクリーム」をあちこちに忍ばせて頻繁に使うようになりました。

20代をピークに減少する肌のハリとツヤとも関係しているコエンザイムQ10が配合されており、お財布にも優しく、コエンザイムQ10のほか、ヒアルロン酸やワセリンなどの有効成分もいろいろ含まれており、ホワイトニング、トーンアップなどのシリーズも出ていて気に入っています。

とにかく塗り忘れがないように、職場の机やカバンの中、洗面所、キッチンと色々な場所に置いて、手をマッサージしながら塗り込んでいます。

それでもどうしても改善しないという場合は、手のシワや血管の浮きに対してレーザーや血管に対する注射を行う硬化療法や再生医療などいくつかの治療方法ができる美容皮膚科のクリニックも増えています。けれども保険適応の治療ではないため、まずは毎日のケアから始めてみてください。

竹中 奈織 
兵庫医科大学卒業後、病院勤務を経て産業医へ。シンガポール駐在経験のある3児のママ。妊娠糖尿病や妊娠高血圧になったことで予防医学を学ぶ。多くの人に今だからこそできる対策を伝えていきたい。

資格
日本内科学会認定医
日本医師会認定産業医
日本抗加齢医学会専門医

(C)Dougal Waters/Getty Images