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【PMSの基礎知識】月経前の不調を“当たり前”にしないこと。 正しい対処でいつだって自分らしく!

何度も繰り返してきた月1回の生理。慣れっこになって、不調さえも当たり前と思っていませんか? それこそが間違った思い込み! ちゃんとした知識を身につければ、もっとラクに生理と付き合えるようになるんです。

岡田有香先生

お話を伺った方:岡田有香先生
日本産科婦人科学会専門医。聖路加国際病院女性総合診療部に勤務。自身のインスタグラム(@dr.yuka_okada)でも月経困難症や、不妊治療などに関する情報を発信。

だいぶ浸透してきた“PMS=月経前症候群”という言葉。改めておさらいすると、PMSとは、月経前、3~10日の間続く、精神的・身体的な不調のことで、月経が始まるとやわらぐのが特徴。そのメカニズムは、まだすべて解明されてはいないが、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの変動で起こると考えられている。

現れる症状は人によって様々。イライラして周囲に八つ当たりしたり、何でもないことで涙が出てきたり…。食欲ひとつとっても、増加する人もいれば、反対に減退する人もいる。

「症状が幅広く定義しづらいため、自分が気づいていないだけで、実はPMSということも、十分あり得ます。日本では、生活支障をきたすほど強い症状を抱える女性は約5%といわれていますが、月経のある女性の約7割が月経前に何かしらの症状を感じています。不調があるがPMSに当てはまるかどうかわからないという方は、症状がいつ起こるのか、ご自身の月経周期と照らし合わせてみるといいですね。立て続けに3回、生理前に起こっているなら、PMSの可能性が大。諦めてやり過ごさず、婦人科医に相談を。生理痛と同じで、我慢しなくていいんです」

PMSと診断された場合の治療法は大きく2つあります。

「女性ホルモンの大きな変動により起きるといわれているので、低用量ピルで排卵を止めるのが一つ。もう一つは漢方で、ピルと併用する場合もあります。薬の服用により、グッとラクに過ごせるようになりますよ」。

Q. PMSの主な症状って?

A. 特に多く見られるのは、イライラと乳房の張り。

以下に挙げた症状だけでも、現れ方は様々だとわかるPMS。これ以外にも、肌荒れやニキビ、便秘といった身体的症状や、落ち着かなくなる、周囲に八つ当たりしてしまうなどの精神的症状もあり、その数は200以上ともいわれている。ホルモンの分泌を司る脳への刺激を減らすために、ストレス対策を心がけたい。

●精神神経症状
情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害

●自律神経症状
のぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感

●身体的症状
腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張り

Q. PMSとPMDDの違いとは?

A. PMSの精神的症状が重症なものがPMDD。

PMDDとは、PMSの中でも精神的な不調が深刻で、日常生活を送れないほどの状態になること。月経前不快気分障害とも呼ばれ、暴力的になったり、自己喪失感に襲われたりと感情が著しく不安定に。仕事が手につかず、人間関係に支障をきたすなど、日常生活への影響も大きいため、婦人科だけのアプローチでは難しいケースもあります。

「私は大丈夫」という思い込みが危険を招くことも…。

「生理前の辛い症状を軽視していると、PMSの重症型であるPMDDが潜んでいることに気づけないこともあります。精神の問題に分類されるPMDDは、婦人科だけのアプローチでは難しいケースもあるので、症状があればいち早い対策が必要です」。生真面目で負けず嫌いな人ほど、PMSの症状が現れやすいともいわれており、セルフコントロールしようと頑張りすぎてしまう。婦人科医の助けを求めることも、自分を守るには大切!

「私は大丈夫」という思い込みが 危険を招くことも…。

コロナ禍で、約6割の女性が“生理前のイライラが悪化”と回答!

Q. コロナ禍以降、生理にまつわる症状に変化はありましたか?(労働環境に変化があった女性が回答)

悪い影響が強い 90.9%, いい影響が強い 9.1%

女性の暮らしをサポートする健康情報サービス「ルナルナ」調べによると、コロナ発生前と比べ「生理前後の症状に悪い影響のほうが強い」と約9割が回答。具体的な症状を見てみると、コロナ禍で不安と隣り合わせで暮らす中、イライラや憂鬱など、心の不調関連の悩みを挙げる女性が多いことも判明。

Q. コロナ禍で以前に比べて生理にまつわる悩みにどんな変化がありましたか?(複数回答)

改善された点…生理痛41.6%, イライラ40.3%, 貧血・めまい23.4%、悪化した点…イライラする60.6%, 不安になる55.9%, 憂鬱になる54.3%
ルナルナ調べ

アプリを使ってPMS症状をもっとラクに!

ルナルナの無料アプリ内には眠気や疲労度合い、頭痛などを記録する項目があり、日記代わりにつけておくと、自分のPMS傾向が一目瞭然。メモ欄にむくみなども記しておくと、よりわかりやすい。

ルナルナ

ルナルナ 2000年に誕生した生理予測サービス。過去の記録から生理日を予測し、体調の変化をお知らせ。

生理ともっとラクに付き合える! 私たちの体をサポートする、これからのピルの取り入れ方。

ここまで、月経痛やPMSなど生理にまつわる不調について紹介してきたが、その解決策として前向きに考えたいのが、低用量ピルの服用。のむと、ホルモンが足りていると脳が錯覚し、本来のホルモン分泌が抑えられ、その結果、様々なメリットが得られる。

「日本ではまだ“ピル=避妊薬”という思い込みが強く、その目的もありますが、のむことで抱かれるイメージを懸念する方が少なくないよう。しかし、ピルは、生理不順の改善、生理痛やPMS症状の緩和などにも使われる治療薬。私自身ものんでいますが、多かった量が減って、期間も数日で終わり、快適に生理期間を過ごせています。ただ、ピルは血栓症発症リスクの問題で、40歳以上の方がのみ始めることは基本的にはできません。悩んでいる方は、すぐにでも医師と相談の上、服用を始めてほしいというのが実感です」

ピルをのむとこれだけ変わる!

通常、エストロゲン(卵胞ホルモン)は、卵胞が十分に育って排卵すると分泌量が最大になり、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量は、黄体期にピークを迎える。ピルには、エストロゲンとプロゲステロンが配合されており、女性ホルモンのゆらぎを抑え、それらの分泌量を低く一定に保たせる働きが。服用期間中は無排卵だが、服用をやめるとふたたび排卵が始まる。

ピルをのむとこれだけ変わる! エストロゲン(卵胞ホルモン)・プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量グラフ

〈ピルののみ方〉自分が決めた時間に28日間のむのがルール。

  • 1日1錠を決まった時間にのむ
  • 1日ののみ忘れまでは大丈夫
  • 半年に一回はクリニックを受診

ピルは、1日1回、決まった時間にのむことで効果を発揮するので、のみ忘れない工夫を。「服用時間は予定が変わりがちな昼間は避け、朝イチや就寝前などルールを決めておくといいですね。のみ忘れて1日以内なら、思い出した時にのめばOK。それ以上時間が経ってしまったら、1週間の休薬期間が必要になります」

〈ピルの3つのメリット〉ピルは生理のお悩みの救世主!

  1. 月経痛緩和
  2. PMS症状の改善
  3. 肌荒れ防止

ホルモンバランスを整えるピルをのむと、生理そのものが軽くなり、出血量も減って月経痛も緩和。また、女性ホルモンのゆらぎが原因と考えられているPMSの症状も、ゆらぎがゆるやかになるため、軽くなる。男性ホルモンと似た働きをするプロゲステロンの働きも抑制されるので、肌の状態も整っていきます。

ピルにまつわるあれこれQ&A

Q. ピルの副作用って何かありますか?

A. 最初の数か月は軽いトラブルも。子宮頸がん&血栓のリスクはアリ。

メリットが大きいピルだけど、もちろん副作用もあるので、しっかり押さえておきたい。「服用を始めて数か月は、頭痛や気持ち悪さ、不正出血などの軽いトラブルが起こる方もいますが、症状は自然と消えます。また、子宮頸がんのリスクは若干高まりますので、年1回の検診を受けてください。1万人に2~5人ほどの割合で、血管の中に血の塊ができる血栓症の発症リスクも」

Q. 薬が合わない場合はどうしたらいいの?

A. 合うタイプがきっと見つかる! 諦める前に医師に相談を。

現在、日本で処方されている低用量ピルには、ジェネリック医薬品を含めて10種類以上。「それぞれ含まれているエストロゲンとプロゲステロンのバランスが違うので、最初に処方されたピルが合わない人もいます。しかし、複数種類あるということは、合うものもあるはず。薬が合わないと辛くて、服用を諦めてしまいそうになりますが、やめる前に一度、婦人科医に相談してみてください」

Q. ピルのオンライン処方って、本当に安全なの?

A. オンライン処方でも定期的な対面受診と組み合わせれば大丈夫。

オンライン処方は、定期的に通院する必要がなく便利なシステム。「のみ始めて1〜2か月は血栓のリスクが高いので、対面で診察を。それ以降も、オンライン上で医師の問診があり、気になることは相談できますから、安心して利用してください。半年に一回は、対面で受診するとベストです。ただし、内膜症がある人は、3か月に一回のペースで、エコーで経過を診る必要があります」

スマルナ 累計60万人(2021年9月現在)に使用されている、ピルのオンライン診察サービス。問診受付は24時間対応可能。

オンライン処方の4STEP

ピル・オンライン処方の4STEP