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起きたらクンクン! 眠りのプロが教える「気持ち良く目覚める」コツ6つ

寒いとなかなか布団から出たくなくなりますよね。前回は、睡眠時間と睡眠の質を高めて、朝の自然覚醒を作る方法をご紹介しましたが、実践してもなかなか朝起きれない…という方は、ベッドの中でさまざまな対策を行っていきましょう! 今回も、眠りとお風呂の専門家・公認心理師の、SleepLIVE(株)代表の小林麻利子がお伝えします。

1. 日の出時刻を知ってカーテンを開けて寝るか検討する

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自然な寝起きは、音や光がなく、自らの意志で自然に目覚めることですが、それが難しいならば、せめて音ではなく光で目覚めるようにしましょう。体内時計の司令塔である視交叉上覚は、光によって「朝が来た」という情報を認識することができるようになります。

最も良い光は、太陽の光。しかし日の出時刻によっては、自分が起きたい時刻と同じでないこともあるので、確認する必要があります。

例えば東京の11月9日時点の日の出時刻は6時11分。ここから12月末にかけて、どんどん日の出時刻が遅くなります。みなさんの寝室の方角にもよりますが、日の出時刻と起床時刻を見比べてみて、ちょうど明るくなる時間帯に起床時刻になるならば、カーテンを開けて眠ることで、日光の光で自然な寝起きが得られるようになります。

<注意!>
夜カーテンを開けてお休みしてみて、窓の外の街灯が眩しく感じるならNG。まぶしく感じなくても、例えば、目を閉じて、瞼の前で手のひらを近づけたり遠ざけたりしていただき、目を閉じた状態でも光の明るさの違いを感じられるのであれば、睡眠に適した明るさとは言えません。自分では問題ないと感じても、豆電球ほどの光でも睡眠を妨げてしまうことがわかっています。カーテンを閉めておやすみしましょう。

2. 光目覚まし時計を用いる

先ほどご紹介した太陽の光は、日の出時刻と起床時刻が同じであるか確認する必要がありますし、寝室の方角によっては光が入らない場合もあります。また、毎日晴れではなく、雨や曇りの日もあり、毎朝安定的に光で起床できるわけではありません。もちろん日の出時刻よりも早く起きなければならない方もおられるでしょう。

そのため、光目覚まし時計を用いて、起床時刻やその数十分前くらいから明るくなるようセットすることをおすすめします。毎朝同じ時刻に明るくなるようセットすることで、日の出時刻よりも前に起きなければならない方でも、幾分か朝起きやすくなります。

ですが、グッズによっては、明るくなる際に、スイッチ音が出るものがあり、光ではなく音で起きてしまうこともあります。取り扱い説明書などをみて、仕様を確認しましょう。

また、急に明るくなってしまうと、深い眠りから無理矢理起こされかねませんので、起床時刻の少し前からちょっとずつ明るくなるよう設定できるようなものがいいでしょう。

3. 目が覚めたらすぐにカーテンを開ける

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目が覚めたら言わずもがな、カーテンを開けてください。先述のように、体内時計の司令塔の視交叉上角に朝がきたことを伝えるには、光が必要です。寝ころんだままでいいので、手を伸ばしてカーテンをあけてみてください。

また、自分でカーテンを開けることがおっくうなら、起床時刻になったら、カーテンを自動で開けてくれるグッズもありますので、そういったものを利用するのも良いでしょう。

ただし、カーテンを勢いよくシャーっと開けてしまうと、カーテンを開ける音で、隣の人が驚いて覚醒してしまうこともあります。同室に人がいる場合は、ゆっくりと音をたてないように開けてくださいね。

4. ストレッチで血流を高める

深部体温が最も低い時刻は朝4時頃。そこから起床時刻にかけてどんどんと上昇していき、起きやすい体温に達します。そのため、深部体温の上昇を促すよう、血流を高めることが大切です。

方法は、とてもシンプルな方法ではありますが、体を動かすこと。ベッドの中で行って、血流をよくしていきましょう。

(1)両手両足をグーパーグーパーをしばらく繰り返します。このとき、ぐーーーと力を入れて、パッと力をほどいたりして、強弱を加えていきます。
(2)両手をバンザイして息を吸って胸やお腹にたっぷり酸素を充満しながら、上下に気持ちよく伸びをします。10秒伸びをしたら、脱力しましょう。
(3)脚を反対側へ移動させてウエストをねじって、10秒ほど腰をストレッチさせます。反対側も同様に。
(4)両手両足を天井方向に持ち上げて、10秒間ブラブラブラと振っていきます。

5. 香りを味方につける

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朝は、体温や血圧を上昇させるために交感神経を優位にする必要があります。交感神経を刺激する精油は、グレープフルーツです。ヌートカトンやリモネンという成分が関係していることが研究でわかっています。

枕元にグレープフルーツの精油と滴下する用のコットンやアロマストーンなどを置いておいて、起きたら滴下するのもよし、グレープフルーツ入りのピローミストやルームリフレッシュナーをシュッとかけるのも良いでしょう。

6. 呼吸法を取り入れる

息を吸うと心臓の交感神経が刺激されます。それを利用して、鼻からしっかりと「吸う」ことを意識していきましょう。

(1)5秒で吸って、1秒で勢いよく吐きます。3回繰り返しましょう。
(2)慣れてきたら、5秒で吸いながら両手両足をぎゅーと握りしめて体全体の力を入れていき、その後、1秒で勢いよく吐き、同時に全身の力を脱力します。

今回ご紹介したのは、適切な睡眠時間や睡眠の質を高めたうえでのケアです。ぜひ、良い目覚めを手に入れてくださいね!

前回の記事もご参考にしてくださいね。

詳しくはこちらをどうぞ。
アラームなしで起きられるって本当? 眠りのプロが教える「スッキリ起床」簡単なコツ

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眠りとお風呂の専門家
小林麻利子さん

同志社大学卒業、京都市出身。SleepLIVE株式会社代表取締役社長。生活習慣改善サロンFlura主催。公認心理師。科学的根拠のあるデータや研究を元に、睡眠と入浴を中心とした生活習慣を見直すことで、自律神経を改善していく指導が人気。約2,000名以上もの悩みを解決し、テレビや雑誌など、多くのメディアで活躍中。不規則な生活になりがちな、芸能人やモデル、アナウンサーへも指導。

企業向けには、健康経営や睡眠関連事業支援などを行う。著書に『入浴の質が睡眠を決める』(カンゼン)『不美人習慣を3日で整える熟睡の練習帳』(G.B.)など多数。プライベートは、3歳児と0歳児の母。

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